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Paul McCartney Out There Japan Tour@東京ドーム

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ポール・マッカートニーの11年ぶりとなる日本公演に行ってきました。
今年はリンゴ・スターの来日公演もあり、生ビートルを見る機会に二度も恵まれました。
僕がビートルズを本格的に聴き始めたのは前回の来日の後だったので、本当に待ちに待ったこの瞬間でした。
高校を卒業する少し前からビートルズ・クラブの会員を続けていたのも
いつか訪れるであろうこの瞬間のためでした。
毎年「今年こそポール来日!」と煽られ続けた結果、もはやポール・マッカートニーという人は
何か象徴のようなもので存在していないか、あるいは来日することはないものだと思っていました。
それが、まさかの来日公演決定。
当日、会場である東京ドームに着いても信じられない気持ちでした。

開演時間が近づいてくると、ステージの両サイドにある大きな縦長のスクリーンに
ポールの人生を順に紹介する写真が次々に流れ始めます。
バックにはDJがミックスしたビートルズやポールの曲が大音量で流れています。
そして写真のアニメーションが終わると、大きなバイオリンベースのシルエットが写し出され暗転。
いよいよです。

大歓声の中、ポール登場!
僕は思わず「ポールだ!存在した!!」と叫んでしまいました。
ヘフナーバイオリンベースを抱えると“Eight Days A Week”から始まります。
どちらかといえばジョンのイメージが強いこの曲からのスタートは意外ながら、
ライヴが始まる嬉しさと高揚感にはぴったりでした。
続いてリリースされたばかりのニューアルバム「NEW」から“Save Us”。
衝動溢れ出るこの曲もパフォーマンスも、バリバリの現役感です。
そして待っていました“All My Loving”。ポールがヘフナーでランニングベースを弾きながら歌っています。
ギターソロもジョージのフレーズと音色そのままです。たまらない。

ポールは短いMCを挟みながら次々に曲を演奏していきます。
足元のカンペ(?)を見ながら日本語も見事でした。
「タダイマ!」
「ニホンゴガンバリマス、デモエイゴノホウガトクイデス」
そしてポールが英語を話すと、スクリーンの下に日本語の字幕がリアルタイムで表示されます。
ライヴをより楽しんでほしいというポールのサービスでしょうか。
素晴らしい時代です。

大好きな“Listen To What The Man Said”、あの娘におせっかいで踊りまくります。
この曲に変わって“Jet”が演奏された日もあったようですが、個人的にはこちらで良かった!
そして名盤「Band On The Run」から“Let Me Roll It”。
ポールのレスポールとリードギターのラスティ・アンダーソンのES-335が唸りを上げます。
ライヴで聴くのをとても楽しみにしていた曲です。
ポールにシャウトにしびれ、それからジミ・ヘンドリックスの“Foxy Lady”のリフを
メドレーで聴くことができました。
毎回、このメドレーはジミに捧げられているようです。

ポールはレスポールから60年代のレコーディングでも使ったというカジノに持ち替え、
“Paperback Writer”です。
まさにあの音。
当時と全く同じ楽器で、目の前で再現されているなんて。

曲が終わると、ポールは一段上がったピアノの前に移動します。
新しい奥さん、ナンシーさんのために書いた“My Valentine”。
スクリーンにはナタリー・ポートマンとジョニー・デップが出演したMVも映し出されていました。
昨年リリースされたジャズ・スタンダード・カバー・アルバム「Kisses On The Bottom」に収められながらも、
そのどの曲よりも素敵なラヴソングです。
続いて「ウィングスファンのために」と両手でウィングスマークを作り演奏したのは“1985”。
勢いのある、印象的なピアノを弾きながらポールがシャウトします。
これも生で聴ける日が来ようとは。

アドリブのアルペジオを少し弾いたと思いきや、“The Long And Winding Road”が始まります。
誰もが知っている曲が、あまりにもさらっと演奏されることに驚きました。
それがポール・マッカートニーのライヴです。
フィル・スペクターのストリングスアレンジが気に入らなかったというポールですが、
しっかりストリングスは入っていました。

「リンダノタメニツクリマシタ。ツクリマシタ!」とドヤ顔で日本語を話し、始めたのは
恋することのもどかしさ“Maybe I'm Amazed”です。
ビートルズの曲に挟まれソロの名曲もしっかり演奏されていきます。
バンドメンバーによる美しいコーラスとポールのシャウトを堪能しました。

ピアノから降りてきたポールはマーティンのアコギを抱えます。
始まったのは“I've Just Seen A Face”。夢の人。
一気にムードはカントリー&ウエスタン。ブライアン・レイの弾くエピフォンのセミアコベースもしっかり効いた
バンドサウンドです。
ビートルズナンバーが続きます。“We Can Work It Out”。
ジョンが歌う“life is very short”の下りもポールが歌います。
実際、ビートルズ時代のほとんどの曲はジョンと共作していたポール。
どちらかが中心となっていた曲でも、お互いに助け合って完成させていたそうです。
どの曲も歌えばその曲を書いた時のこと、ジョンのことを思い出すのではないでしょうか。

ポールはアコギをマーティンからギブソンに持ち替えます。
J-185の12弦で、恐らく今回のツアーから使用されているものと思われます。
レフティのそんなギター、世界に一本だろうな…。
“Another Day”をギブソンらしい抜けの良く乾いたストロークで聴かせてくれました。
再びマーティンに持ち替えると、ビートルズ初期のバラード“And I Love Her”。
イントロが鳴った瞬間に会場から溜め息が漏れました。

60年代のアメリカの人権問題を受けて書いたと説明があった後、始めたのは“Blackbird”。
徐々にポールのいる舞台がせり上がっていきます。
バックのスクリーンには木のシルエットと月が映し出され、しばし幻想的な気分になりました。
完全にポールのアルペジオと声だけでした。それだけで十分すぎました。
「次の歌はジョンのためデス。」
“Here Today”。ジョンが亡くなった直後に作った歌を情感込めて歌ってくれました。

続いて、ポールはステージの前方に用意されたマジック・ピアノへ移動。
ニューアルバムのタイトルトラック、“NEW”です。
明るく、ビートルズを彷彿とさせる曲調にとても楽しい気分になりました。
71歳になっても前向きで素敵なポップソングを作るポール。
ニューアルバムをナンバーワンにしてくれてありがとう、と続けて“Queenie Eye”を演奏。
people shoutしました。ニューアルバムからの曲もみんなで声を合わせて楽しめるとは、
まさに現役バリバリのアーティスト。
そのまま軽快にピアノを弾いて、“Lady Madonna”です。
新曲のあとにビートルズが来ても自然に繋がり、楽しく踊れます。

マジック・ピアノは一旦掃け、再びマーティンを抱えるポール。
「Yellow Submarine」からの曲だと話し、歓声が起きる中で演奏を始めたのは“All Together Now”。
会場からは自然と手拍子が起こり、かけ合いが始まります。
こんなにも楽しい曲だったんだとライヴで感じる嬉しさ。

そしてギブソン12弦に持ち替えると、「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」からの曲だと
紹介し、“Lovely Rita”を演奏。
昔から、ポールの曲の中でかなり好きな曲でした。
まさかライヴで聴くことができるとは。
世界中の人が擦り切れるほど聴いたビートルズナンバーでも、
全く期待を外すことなく完璧に演奏し歌いあげるポール。物凄いです。
12弦のまま、ツアーのタイトルにもなった“Everybody Out There”を元気よくパフォーマンス。
“Hey!”のところは拳を突き上げて一緒にシャウトしました。
結果としてニューアルバムからは4曲も演奏し、そのどれも素晴らしいクオリティでした。
このツアーの前半では新曲群は演奏されておらず、ほぼこのジャパンツアーから組み込まれたものでした。
これによってセットから落ちた曲もありますが、そんなことは全く気にならず、
ニューアルバムからの曲が聴けて本当に良かったと思わせるライヴでした。

ポールはマーティンに持ち替え、パワー溢れるドラマーのエイブ・ラボリエル・ジュニアが
ステージ前方へ降りてきました。
そして始まったのは“Eleanor Rigby”。
ドラムがないこの曲では、エイブはコーラスに専念します。風貌とのギャップを感じさせる、
いやゴスペル的なことを考えれば風貌通りの美しい高音コーラスをエイブは聴かせてくれます。
ポール・“ウィックス”・ウィッケンズがキーボードでオーケストラパートを再現しています。
なんと美しい曲か。

曲が終わるとヘフナーに持ち替えるポール。
思った以上にギターが多く、ピアノもあるのでベースを弾く機会が少なく感じます。
やっぱりヘフナーを抱えてマイクに向かう姿が一番かっこいい。
ジョンが歌っていて、ライヴで演奏されることはこれまで全く無かった
“Being For The Benefit Of Mr. Kite!”をベースを弾きながら歌います。
とても難解なベースラインだとポール自らが語っていますが、ここに来て涼しい顔で演奏しています。
サイケデリックな雰囲気が東京ドームを包み、レーザー光線が天井に当たる様はかっこよかったです。

「次はジョージのためデス。ジョージに拍手を!」
ジョージの家に遊びに行くと必ず用意されていたウクレレを弾いて、“Something”を歌い始めます。
ワンコーラス歌うとあのギターソロと同時にバンドが入り、ポールはマーティンに持ち替えます。
まさにコンサート・フォー・ジョージ。これが生で見られる日が来るんだと、
十代の頃の自分に教えてあげたくなりました。
ジョンの曲もジョージの曲も、ポールはライヴで歌い、今も一緒にいることを感じさせました。
ポールもリンゴも、二人の分まで余りあるほどに生きています。
「ありがとう、ジョージも素晴らしい曲をありがとう。」と歌い終わった後に言っていたのが印象的でした。

再びヘフナーに持ち替え、一緒に歌ってほしいと話した後に“Ob-La-Di, Ob-La-Da”。
ベースラインが心地よく響き、みんなで歌い踊ります。
ウィックスのキーボードの転がり具合も良い感じです。
続いて“Band On The Run”が始まり、ライヴもいよいよ終盤だと感じさせます。
三段階のダイナミックな曲構成をライヴで体感します。
ブライアンがアコギに持ち替えてコーラスに入る瞬間の高揚はたまりませんでした。
曲が終わると、聞き覚えのある飛行機のノイズがあり“Back In The U.S.S.R.”がすぐに始まります。
オールドなロックンロールをヘフナーを抱えて歌うポール。
最高ですね。

ポールは上のピアノに移動。座った瞬間はほっとしたような表情を見せますが、まだまだ余裕です。
一音目からそれとわかる“Let It Be”。
ポールが弾き語る様々なライヴ映像を何度見たことでしょうか。
今、現実に僕の目の前で歌われているのです。
ポールは時折シャウトを混ぜながらエモーショナルに歌いあげ、
ラスティのギターソロはジョージのそれより激しいものになっていました。
続く曲も静かに歌い始めます。
そして耳の覚悟をしなくてはなりません。
“Live And Let Die”爆発音と共に炎が何度も上がります。炎、炎、炎です。
ポールの前髪は逆立ち、こちらのテンションはもちろん最高潮に上がっています。
ラスティが335をフィードバックさせて倒れ込み、笑いを誘います。
その後立ちあがって埃をはたきながらコーラスをする姿もチャーミングでした。
ラストは最大の爆発で締めました。
「スゴイネ、キコエナイ」とポール。
死ぬのは奴らだ、面白かった。

ステージ前方に再びマジック・ピアノが運びこまれ、“Hey Jude”。
大合唱につぐ大合唱。
途中でポールはピアノから離れ前に出て指揮を取ります。
「ダンセイダケ」「ジョセイダケ」
男らしいポーズや相撲のポーズ、あるいは女性の体のラインを手でなぞったりして、煽ってくれました。
あのコーラスに加わることができるなんて本当に夢のよう。
ポールがピアノに戻って締め、あっという間に本編終了です。

アンコール。
ポールは日本の国旗、ウィックスが英国の国旗を振って現れます。
大歓声。ポールが日本を大事に思ってくれていることを感じて嬉しくなりました。
「モットキキタイ?」
歓声に応えて始まった“Day Tripper”。
ギターのリフとユニゾンするヘフナーの響きが伝説の武道館と同じでした。感激です。
そしてウィングスのブギーな“Hi, Hi, Hi”を挟み、“Get Back”で一回目のアンコールが終了です。
ヘフナーを弾きながらロックンロールを歌うポールの姿は最高です。(二回目)

二回目のアンコールはエピフォン・テキサンを抱えてのスタート。
ポールのアコギといえばこれです。
東京初日は福島の方々へ捧げた“Yesterday”。
最終日は入場時に観客全員に配られた5万本のサイリウムが東京ドームを真っ赤に染めました。
ポールには内緒の、11年ぶりの来日公演を果たしてくれた感謝を伝えるサプライズ演出でした。
曲が終わり、テキサンをローディーに渡すもヘフナーを受け取ろうとしない小芝居を挟むポール。
とてもお茶目で愛される人です。
ここで最終日は、まさかのユニオンジャックヘフナーの登場でした。
昨年のエリザベス女王の記念コンサートの時しか使用している姿を見ていなかったので、
これには大感激でした。見事にサプライズを倍返しされました。
そして「イクゼー!!」と叫び“Helter Skelter”。
二時間半以上、水も飲まずに歌い続けた人のシャウトとは思えません。
物凄いパワー。
この音圧とグルーヴにいつまでも浸っていたい。

「ソロソロカエルジカンデス。」
ピアノの前に座ったポールは言います。映像で何度も見て脳裏に刷り込まれた、最後の曲で時計を見る仕草。
バンドメンバーやローディー、ライヴを支える全てのクルーを称えます。
確かにこれだけの大きなライヴを毎晩成功させるには、関わる全ての人の努力が必要不可欠です。感謝。
そしてポールは“Golden Slumbers”を歌い始めます。家に帰る感が溢れていて寂しくなりました。
「Abbey Road」の最後のメドレーは完全に再現されていきます。
“Carry That Weight”がずんずん胸に響きます。君は重荷を背負っていくんだ。
今夜、僕の夢に出てきてくれるかい?と始まり、ポールはエイブのドラムソロの間に降りてきて
レスポールを抱えます。
“love you”をラスティとポールがかけ合います。
ポールとラスティ、ブライアンのギターバトルが始まります。
これでもかとソロを回した後、
“and in the end the love you take is equal to the love you make”
そして結局、君が受ける愛は君がもたらす愛に等しい
ビートルズ最後にして究極のメッセージを残してライヴを“The End”で終わらせました。
鳴り止まない拍手と歓声。ポールの名を叫び感謝を伝える人。会場に舞う紙吹雪。
「ゲンキデネ、See you next time!」とポールは高らかに叫び、
歓声に応えながらステージを降りていきました。

本当に完璧なライヴでした。
ビートルズもウィングスもソロも、全て楽しむことができました。
何より今を感じられること、過去の栄光に捉われず“NEW”を追求していく姿に胸を打たれました。
世界中の人から愛され、最高に楽しませてくれる人。
ポール・マッカートニーは本当にスターなんだと思いました。
本当にかっこよかった。
僕は左利きで楽器もレフティなのですが、これほど自分がレフティであることを誇りに思った日はありません。
お金をためて、ヘフナーを買いに行こう。
日本に来てくれて、本当にありがとうございました。
Thank you, Paul!!!

01. Eight Days A Week
02. Save Us
03. All My Loving
04. Listen To What The Man Said
05. Let Me Roll It - Foxy Lady
06. Paperback Writer
07. My Valentine
08. 1985
09. The Long And Winding Road
10. Maybe I'm Amazed
11. I've Just Seen A Face
12. We Can Work It Out
13. Another Day
14. And I Love Her
15. Blackbird
16. Here Today
17. NEW
18. Queenie Eye
19. Lady Madonna
20. All Together Now
21. Lovely Rita
22. Everybody Out There
23. Eleanor Rigby
24. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band On The Run
28. Back In The U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live And Let Die
31. Hey Jude
- encore 1 -
32. Day Tripper
33. Hi, Hi, Hi
34. Get back
- encore 2 -
35. Yesterday
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers - Carry That Weight - The End
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by modsmiley | 2013-11-28 02:05 | 音楽