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Into Tomorrow

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BOB DYLAN and his band IN SHOW & CONCERT!@Zepp DiverCity

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ボブ・ディランのライヴに行ってきた。
前回の2010年はまさかのライヴハウスツアーだったが、その奇跡は再び起きた。
来日の時期もほとんど同じだったため、4年前の自分を思い出したりもした。

ボブ・ディランという人は、聴く人それぞれに特別な想いを抱かせる。
ライトなリスナーでも、熱心なファンにでも。
恐らくそれは彼の歌が、声が、心の濡れた部分に入ってくるからだろう。
村上春樹が、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で的確にその歌声を表現している。
“まるで小さな子が窓に立って雨ふりをじっと見つめているような”
初めて読んだ時に衝撃を受けたことを覚えている。この表現に共感する人、好きな人はとても多いはずだ。
2010年の来日ツアーには三度足を運んだが、そのうち一日は雨が降っていた。
その日ディランは「はげしい雨が降る」を歌ってくれた。
最終日に歌ってくれた「いつまでも若く」と共に、一生忘れない体験となった。
きっと今回も、そんな夜になるだろうと期待してライヴの日を迎えた。

ライヴでのボブは、オリジナルのアレンジから自由自在に変えてくる。
今回も初っ端からやられた。
定刻一分前に暗転するなり、アコギの音が聴こえてくる。
ギタリストのスチュ・キンボールが弾きながらステージを右往左往し、興奮を煽る。
小気味良い軽やかなリズム。何だこれ。聴いたことある気がする。というかよく聴いている曲だ。
“Things Have Changed”
以前はオリジナルに近いアレンジだった気がするが、今回はリズムを完全に変えてきていた。

ボブはステージ中央に設置されたマイクの前に立って歌う。
以前は殆どの曲をオルガンを弾きながら歌っていたが、今回はボブ用のオルガン自体が無い。
そして数少ない曲でプレイされていたエレキギターも無かった。
今回のボブは基本的にステージ中央に設置されたマイクの前で歌うことが多く、
ポーズを決めたりハンドアクションがあったりと新鮮だった。
また、予想外にハーモニカを多用しており、嬉しかった。
彼のハーモニカを聴けることは大きな喜びだ。
たぶん、ハーモニカで会話することもできるのだと僕は思っている。

時折ボブはオルガンの代わりに設置されたピアノを弾きながら歌う。
ステージの上に置かれたピアノはなかなか存在感があった。

今回のボブの声は驚くほど綺麗だった。
吠えるように、カエルのように歌う感じは少なくなって、
低音もファルセットに近いような伸びる高音も、本当に自然に響いていた。
あれだけ崩して歌っていても絶対に音程を外さないという話の通り、物凄く歌が上手い人だ。

今回のライヴは二部構成になっており、前半は“Tangled Up In Blue”から“Love Sick”
という最高の流れで終了した。
「ブルーにこんがらがって」を生で聴けた喜びのあとにくる魂の“Love Sick”。
照明が暗く殆ど闇の中で不気味に歌うボブ。しびれた。
非常にご機嫌なボブは“Thank you!! アリガトゥー!!”と日本語を発してステージを去っていった。
前回は最終日のみ“イーキマショウ!!”が飛び出したが、今回はツアーの早い段階から来た。
ボブはライヴでMCをしないため、ちょっと何か言うだけでも貴重だ。それも日本語なんて。

約20分後、チャイムのような合図と共に再びライヴが始まる。
ボブは帽子が脱いできた。期待を裏切らない、あの髪型だった。ふさふさだ。

第二部は2001年9月11日にリリースされたアルバム「Love & Theft」収録の
“High Water”から始まった。
近年のボブは90年代以降のアルバムからセットリストを組む傾向がある。
いずれも素晴らしい内容のアルバムだ。
常に現在を行き、過去を、未来を行く男。

シカゴブルース調の“Early Roman Kings”は
ジョージ・リセリのドラムとトニー・ガーニエの鉄壁のリズム隊に支えられ、
チャーリー・セクストンがギターを絶妙に入れていたのが印象的だった。
好きな曲である“Forgetful Heart”や“Spirit On The Water”も聴くことができた。

ライヴ終盤は2012年の最新アルバム「Tempest」から3曲続いた。
ルーツに根付いた多彩な曲調を備えた最新アルバムから、ボブはこの日6曲を披露した。
本編ラストの“Long And Wasted Years”が始まった瞬間に大歓声が上がる。
どんどん会場は熱を帯びていく。
ボブは歌いながら二ヤりとし、最後には拳を突き上げた。

アンコールは “All Along The Watchtower”から始まる。
以前はジミ・ヘンドリックスのバージョンを思わせるラウドなアレンジだったが、
今回はよりオリジナルに近いアコギのストロークから始まった。
音量も抑え気味で、終盤にボブがさらに音量を抑えてから唯我独尊にピアノを弾き始める。
収拾がつかなくなるように思えたが、リセリがドラムを激しく叩いて締め直し無事終了。
ライヴならではのバンドの集中力を味わった。

ラストは“Blowin' In The Wind”。風に吹かれて。
オリジナルからはかけ離れているものの、こちらはある程度アレンジは固まっているようだった。
最後にハーモニカを吹いてくれた時は本当に感動した。

ライヴ終了。整列。お辞儀なし。ドヤ顔。
一連の流れのはずが、大歓声に応えようとちょこっと前進するボブ。まさか。
急にかがんで、最前列のオーディエンスと握手をしているように見えた。
実際はプレゼントを受け取ったり、サインを書いたりしていたらしい。
それもかなり時間をかけて。ありえないことが起きたのだ。
素晴らしい瞬間に立ち会った。

本当に最高のライヴだった。
前回は60年代の曲も多くそれはそれで良かったが、ライヴ自体は今回の方が
遥かに充実していたように思う。
全体的により温かみのある音作りで、しっとり落ち着いていた印象だった。

72歳のボブは百戦連磨のバンドメンバーと共に、4年の間に全く別のライヴを作り上げてきた。
ネバー・エンディング・ツアーを敢行し、へたをすれば週5日以上でライヴをし続けている。
それに比べて僕はこの4年の間に何をし、何が変わっただろう。
始まる前からこのことを思っていたが、あんな素晴らしいものを見せつけられた後には
なおさら思ってしまった。

充実感に溢れて会場を出る途中、階段で隣を歩く志磨遼平さんに気付いた。
何という偶然。思わず声を掛けてしまった。凄く優しい笑顔だった。
憧れの人と、ボブ・ディランのライヴの感想を共有することができた。
開演前に二階席の最前に座るLOVE PSYCHEDELICOの二人や菅野ヘッケルさんの姿を
見つけて嬉しくなっていたが、もはや天にも昇る気持ちになった。
やはりボブ・ディランは神様なのかもしれない。

01. Things Have Changed
02. She Belongs To Me
03. Beyond Here Lies Nothin'
04. What Good Am I?
05. Waiting For You
06. Duquesne Whistle
07. Pay In Blood
08. Tangled Up In Blue
09. Love Sick
- Intermission -
10. High Water (For Charley Patton)
11. Simple Twist Of Fate
12. Early Roman Kings
13. Forgetful Heart
14. Spirit On The Water
15. Scarlet Town
16. Soon After Midnight
17. Long And Wasted Years
- encore -
18. All Along The Watchtower
19. Blowin' In The Wind
# by modsmiley | 2014-04-12 03:03 | 音楽

Beady Eye The Rollercoaster Tour@横浜アリーナ

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Beady Eyeの3年ぶりの単独来日公演に行ってきました。
2012年のフジロックから数えれば2年ぶりということになります。
昨年のサマーソニックの出演がゲムの怪我により中止になってしまったので、
今回は待ちに待ったライヴでした。

平日の横浜アリーナでの開催や運営側に対する不安(?)があってか
人の入りは良くなく、アリーナとスタンド共に客席を少なくした仕様でした。
おかげで横浜アリーナが狭く見えました。
2000年、ノーザン・ブライトがフロントアクトを務めたオアシスのライヴの時は満員だったんだろうなぁ。

フロントアクトのライヴやトークショーなどのイベントが組まれていたようですが、
僕が会場入りしたのはBeady Eyeが始まる直前。外人のDJがパンクばかり流していて
何か妙な空気でした(笑)

予定の時間より少し早くSEが鳴り響き、バンドの登場です。
間違いなくゲムが、アンディが、リアムがいます。
が、照明が暗く演奏が始まってもなおコピーバンドかもしれないという疑いが僅かにありました(笑)

一曲目はニューアルバム「BE」から“Flick Of The Finger”。
瞬間沸騰というよりは壮大に沸き上がるように、ライヴが始まります。
バンドもリアムも調子が良さそうです。
続いて“Face The Crowd”。60sブリティッシュビートなギターリフから始まります。
何より今回のライヴで嬉しかったことは、ギターの音が大きいことでした。
素晴らしいギタリストが二人もいるバンドなのに、ライヴになると何故かギターの音が
毎回小さく残念だったので、これは素晴らしいことです。

ゲムは髭モジャで1969年から1970年頃のポール・マッカートニーそっくりでした。
相当な大怪我を負っていたそうですが、こうして以前と変わらず演奏している姿が見られて
本当に良かったです。

以前のBeady Eyeには無かったタイプの曲である“Soul Love”や“Second Bite Of The Apple”も
非常に良く、メリハリに欠けた印象だったライヴに彩りを与えています。
サイケデリックでミディアムテンポの曲はリアムの声に凄く合っていると改めて感じました。
そしてとても聴きたかった“Iz Rite”はライヴでも心地よく響きました。

ライヴ中盤にすっと演奏された“Live Forever”。
クリスのドラムが始まった瞬間にどよめきが上がります。
間違いなく“Live Forever”ですが、当然ノエルのファルセットもコーラスもなく、
それを他のメンバーが補うこともなく。
ただ、ギターソロはアンディがコピーをしていました。
オアシスで一番思い入れがある曲だったのに、否、だっただけに、違和感は拭えませんでした。
でも聴けて良かったです。

ゲムとアンディのリッケンバッカー2本で演奏された“I’m Just Saying”は本当にかっこよく、
ソリッドなサウンドと気合いの入ったリアムのシャウトにしびれました。
めちゃくちゃかっこいいバンドです、Beady Eye。

開演前にロビーでトークショーもしていたクリエイションレーベルの創始者アラン・マッギーに捧げると言って、
クリスの謎のシンバル連打から唐突に始まった“Champagne Supernova”。
万に一つも予想していなかっただけに物凄く驚きました。
さらにこちらはノエル不在にも全く違和感が無く、完璧でした。
これはオアシスだ。
そしてバックのスクリーンには宇宙の星空が流されており、感動的な演出でした。
本当に、本当に久しぶりにこの曲をライヴでリアムと共に合唱しました。
こんなに嬉しくて楽しいことは、他ではなかなか得られません。

続いて1stアルバムの名曲“The Roller”。
今日もゲムのリッケンバッカーサウンドを堪能。
あの音が大好きです。

“Start Anew”はゲムがP-90を備えたエピフォンの赤いセミアコでアルペジオを奏でて始まりました。
カジノということになるのだろうけど、カジノかなぁ。完全にアコギの音がしていました。
「BE」、本当に良いアルバムです。アルバム本編の最後を飾るこの曲が一番好きかもしれません。
ライヴだとさらに良くて、リアムの歌声に感動しました。

エンディングへ向かうアレンジが以前と変わっていた“Bring The Light”の後、
ライヴ本編は“Wigwam”で終わりました。
アンコール待ちの間は“Dreaming Of Some Space”が流れていました。
再び登場したバンドが最後の曲として始めたのはローリング・ストーンズの“Gimme Shelter”でした。
何故この曲をやりたかったのかが気になることころです。
1969年のサイケデリックと緊張感でしょうか。
確かに、アルバムとライヴの流れからすると合っている気がしました。
ほぼ完コピで、演奏は完璧でした。(キースのようにイントロをミスったりすることはなく)
ストーンズを見たばかりなせいか途中でリサ・フィッシャーの揺れる巨体が脳裏を過ぎったりしましたが、
Beady Eyeバージョンもありだと思いました。

告知されていたタイムテーブルより20分早く、80分間のライヴは終了しました。
シド・ヴィシャスの“My Way”が流れる場内を深い満足感の中で後にしました。
セカンドアルバム「BE」が良く、ギターの音も大きく、バンドの演奏もリアムの声も良く。
アリーナ前方で指定席のため押し合いもなく(一部、自分の席を離れて前方に居座る低俗な方々もいましたが)
快適な環境でライヴを楽しめました。

ここまで書くところがありませんでしたが、今回はアンディの奏でる多彩な音色のギターが大活躍でした。
Beady Eyeになって一番得している人なのでは?と思いました。かっこ良かった。
長年カサビアンのサイドギターを担当していた新ベーシスト、ジェイ・メーラーも安定感抜群でした。
以前よりバンドサウンドがグッと引き締まった印象があったのはこの人によるところが
大きいのではないかと思いました。

ベストなパフォーマンスをしてくれたリアム・ギャラガーを始めBeady Eyeに感謝です。
今までで一番良いBeady Eyeのライヴでした。

01. Flick Of The Finger
02. Face The Crowd
03. Four Letter Word
04. Soul Love
05. Second Bite Of The Apple
06. Iz Rite
07. Shine A Light
08. Live Forever
09. The World’s Not Set in Stone
10. I’m Just Saying
11. Soon Come Tomorrow
12. Champagne Supernova
13. The Roller
14. Start Anew
15. Bring The Light
16. Wigwam
- encore -
17. Gimme Shelter
# by modsmiley | 2014-04-07 00:41 | 音楽

THE ROLLING STONES 14 ON FIRE JAPAN TOUR@東京ドーム

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ローリング・ストーンズの来日公演に行ってきた。
前回の来日は8年前、2006年。僕は19歳だった。
当時は40周年のベスト盤「Forty Licks」とオリジナルアルバム数枚を聴いた程度ではあったが、
とにかく行かなくてはという思いで一般発売のチケットをぴあで並んで買った。
それでも希望していた初日は取れず、二日目の、しかもB席を取るのがやっとだった。
東京ドームの二階席から見るストーンズは豆粒だったが、
生でストーンズのライヴを体験したという事実は相当に大きいものだった。
それから全アルバムを聴き、有名な公演が収録されたブートレグを聴き、
ギターも憧れのキース・リチャーズが使っているものと同じものを使い始めた。
ストーンズの映像を見るのが好きで、次にライヴを見ることを様々妄想し心待ちにしていた。

そしてついに来日公演決定。東京ドーム三日間。
当然のように三日分のチケットを押さえた。次に来たら全ての公演に行きたいと思っていたので、
今回の来日公演が東京ドームのみだったのは幸か不幸か。(僕にとっては、間違いなく幸だ)
残念ながら夢のGC席は取ることができなかったが、席は8年前を思えばずっと良い。

初日、いや全ての日程でそうだったが、東京ドームへ向かう僕の心境は8年前と全く変わらないものだった。
はやる気持ちを抑えられず、「これからストーンズを見るんだ」という思いが満ち満ちていた。

来日公演のスタートは“Get Off Of My Cloud”。キースのギター一発で始まる妄想は崩れ去った。
しかしチャーリーのドラムから始まるのも新鮮だった。
2012年の50周年記念ライヴもこの曲で始まることが多かったため、それを追体験できる形となった。
初日は、キースの元気が無かった。いつものように動き回るわけではなく、
下を向いて弾いていることが多かった。
“It’s Only Rock ’N’ Roll”、“Gimme Shelter”“Jumpin’ Jack Flash”は
イントロが決まらずやり直していた。
しかしギターの音は爆音だった。
こんなにも大きな音でキースのギターが聴けるなんて思わなかったから、感動した。

序盤から大好きな曲「ダイスをころがせ」“Tumbling Dice”をやってくれた。
You got to roll me!!
手拍子と共にリフレインが鳴り続けるところが大好きだ。

まさかの“Wild Horses”と“Emotional Rescue”が初日から登場した。
特に後者は2013年のハイドパークの音源がとても良かっただけに、
イントロが鳴った瞬間歓声を上げてしまった。

最新ベストアルバム「GRRR!」に収録された“Doom And Gloom”は聴くのを楽しみにしていたが、
ミックのギターと歌が噛み合ってない感じがした。
しびれを切らしたチャーリーが無理矢理終わらせたようなエンディングだった。
50年もギターを弾いている二人がいるのだから、わざわざミックは弾かなくても良いのに、と思った。

70年代の黄金期を流麗なスライドで支えたミック・テイラーも今回のツアーには付いてきてくれた。
正直絶対に見ることができないと思っていただけに、これは本当に奇跡だ。
その登場はキースの歌う“Slipping Away”からだった。
当時からは考えられないほど太ってしまったが、やはり変わらずレスポールを弾いていた。
ミック・テイラーはその後“Midnight Rambler”で再び登場し、
ミック・ジャガーの吹くブルースハープとの掛け合いを見せてくれた。
テイラー、ロニー、キースの三人が横並びで揃ってレスポールを弾く光景が壮観だった。

キースは“Miss You”で花道に来たと思ったら、ギターを弾くことなく掲げたままで戻っていった。
この日、一番盛り上がったのは何故かリサ・フィッシャーが“Gimme Shelter”で絶唱した時だった。

そんな感じで、初日は突っ込みどころ満載。
しかしながら本当に愛おしいバンドだと感じた。
それでも最高なのがストーンズのライヴだ。

二日目は復活のキースによる“Start Me Up”から始まった。
ロニーが元気よく飛び跳ねながらギターソロを撃つ。
この日はアリーナで見ることができた。とても遠かったが真正面で
キースとチャーリーを終始肉眼で見ていることができる席だった。
ミックが花道に来ると顔がはっきりと見えた。本物だった。ずっと若くてかっこ良かった。
風貌や動き、全身から発せられるオーラが70年代の感じそのままだった。

キースは初日とはまるで別人。これだ!と思った。
彼のリズムギターが冴えるだけで圧倒的にグルーヴが違う。

この日のまさかは“Angie”だった。
人気曲ながら、最近のツアーではあまり演奏している印象は無かったのでびっくり。
キースの弾くアコギはハミングバードではなかったが、とても感動的だった。

連日、ファンの投票によるリクエスト曲が一曲演奏されており、
この日は“Silver Train”だった。テイラーとライヴで演奏するのは本当に数えるほどしか記録が無いそうで、
とても貴重な瞬間に立ち会うことができた。
珍しくストラトを使ってのスライドプレイだった。

“Honky Tonk Women”はカウベルではなく、キースの開放弦から始まった。
おかげでちょっぴりイントロが引っ張られて嬉しかった。あれ、テンション上がるんだよなぁ。
チャック・リーヴェルのホンキー・トンク・ピアノ・ソロもにこやかに。

キースヴォーカルの曲は、この日のみ“Happy”が演奏された。
バタースコッチの5弦テレキャス“ミカウバー”に4カポが付けられたのを見た瞬間にそれとわかり、
幸せな気分になった。
ロニーのペダルスティールも冴えわたっていた。尺がとても長く感じた。

二日目はとにかくキースの復活、キースの笑顔が嬉しく、
肉眼でストーンズの姿を見ることができたのが良かった。

そして最終日。
夢にまで見た“Jumpin’ Jack Flash”のスタートだった。
8年前は絶対この曲で始まると思っていたら違い、今回もそれが叶わずにいたが、最終日にしてついに。
この日は演奏が始まる前からミックもステージに登場し、キースと共にステージ前方に出てきて
始まるという珍しい展開だった。

“It’s Only Rock ’N’ Roll”では、キースはいつもの黒いES-355ではなく白いES-345を使っていた。
「SHINE A LIGHT」で見て物凄くかっこいいと思っていたギターなので嬉しかった。

そして何より“Ruby Tuesday”。
二日目の“Angie”と同じく、演奏が始まった瞬間に東京ドームの空気が変わるのを感じた。
初来日の演奏がライヴ盤「Flashpoint」に収録されていて有名なだけに、
今回も必ずやってくれると思っていた。
キースはアコギを弾きながら自分のマイクが用意されていないことに気付き、
舞台袖に訴えあわててスタッフがマイクを用意するというハプニングもあった。
一番はほぼ間に合っていなかったが、曲の途中からはしっかりキースのハモりを堪能できた。

“Doom And Groom”は日に日に良くなっていて、最終日はきっちり決まっていたように思う。
でもミックはやっぱり弾かない方が良いと思った。

リクエスト曲は、“Respectable”。
正直この曲が選ばれたことに対しては何故?と思ったが、
ここでアナウンスされていた「スペシャルゲスト」の登場。
HOTEIさんだった。HOTEIさんはテレキャスを弾きまくり、ミックと一本のマイクを分けてコーラスもしていた。
ストーンズも彼の勢いに乗せられて気合いの入ったパフォーマンスを見せてくれた。
凄い。日本人が、ローリング・ストーンズの中に混じって演奏するなんて。
キースとロニーと一緒にギターを弾いて、後ろにはチャーリーがいるんだ。

毎晩ミック・テイラーと共に演奏される“Midnight Rambler”。
リズムに徹したキースがグイグイ引っ張り、テイラーがレスポールを弾きまくる。
照明の感じや、ミックの煽りを見ていたら72年の映像と重なった。
今、俺は「レディジェン」と同じものを見ているんだ。

黒く塗れ!“Paint It,Black”。
“Ruby Tuesday”と同じ日に演奏されると、とたんに清志郎さんを思い出す。
ミックはスタンドマイクを持ち上げて歌っていた。60年代と同じ!

悪魔を憐れむ歌、“Sympathy For The Devil”はステージが燃えているような演出で始まる。
アリーナで見た夜は実際に焦げた匂いを感じた。
あのファルセットのコーラスを観客が始め、ルシファーと化したミックが
羽のついたマントをなびかせながら歌い出す。
しかしここでの主役もやはりキースだ。P-90を搭載したレスポールTVモデルで突き刺さるような音色を出す。
ギターソロは言うなれば休符だらけ。期待する分だけスカされ、完全に彼のペースである。
…ほとんど弾かないギターソロなんてあるのか!

ミックの掛け声と共に“Brown Sugar”が始まるといよいよライヴも終盤だとわかる。
これまで書かなかったが、やはりミックのパフォーマンスは超人的だった。
ミック・ジャガーだから当たり前だと思って見ているが、冷静に考えれば70歳の人である。
毎晩欠かさないステージの端から端までダッシュ。衰えないダンスのキレ、歌唱。
東京ドームに集まる5万3000人はもちろん、世界のどこへ行っても彼の前で集まる人は一つになるのだ。
YEAH,YEAH,YEAH,HOOO!!!
キースがリズムを引っ張り、演奏がなかなか終わらない。ロニーに目配せして、もっとソロを弾けと煽る。
それに笑いながら応えるロニー。
最高のバンドだ。

アンコールは無情の世界、“You Can’t Always Get What You Want”から始まる。
50周年ツアーからはご当地の合唱団を招いているが、この日本公演では
洗足学園音楽大学の「洗足フレッシュマン・シンガーズ」が参加した。
オリジナル音源を再現した美しく感動的なコーラスが終わると、
ハンティング帽を被ったミックがハミングバードを弾きながら歌い始める。
途中で「イッショニウタッテ!」と促される。来日の度に使う日本語はだいたい一緒のようだが、
ミックの日本語は上手い。定番の「カワイイネ、アトデデンワスル」は毎回笑ってしまう。
観客を巻き込んでの大コーラスはテンポを上げていく。
これ、本当にテンションが上がって楽しい。祝祭感。まさにお祭り。
最終日のみ、演奏が一度終わってからチャーリーがリズムを刻み続けてまた始まった。
時折見せる、ジャムバンド感がたまらない。

ラストは“(I Can’t Get No) Satisfaction”。
「無情の世界」から繋がるラスト二曲の流れは、こちらの足りない気持ちをまさに代弁しているかのよう。
まだまだ聴きたい曲はたくさんある。
キースはリフを弾いてソロを弾いて、ミックは最大限に煽りまくる。
いつまでも続いてほしいと願ったが、いつのまにか来日公演は終わっていた。

最終日は座席の位置としても音響が良く、ロニーの音もよく聴こえた。
キースとチャーリーの呼吸を感じることができたのは一生の宝物だろう。
前回の来日よりサポートメンバーを減らしただけあって、バンドの演奏がよりダイレクトに伝わってきた。
JJFから始まるセットリストといい、ずっとイメージしていたストーンズをそのまま感じることができた。
本当に最高だった。

ふと気付けばキースのことばかり書いていた。
自伝を読んだせいもあって、前よりもさらに好きになってしまったらしい。
あの人、HOTEIさんが演奏し終わったあとに笑顔で自ら会釈して握手していた。
掃ける時も、ドラム台から降りるチャーリーに手を貸してあげていた。
なんて最高な奴なんだ、キース。

夢のような三日間だった。
ありがとう、これからも付き合うぜ。
世界最高のロックンロールバンド、ザ・ローリング・ストーンズ。

First Night
01.Get Off Of My Cloud
02.It's Only Rock 'N' Roll
03.Tumbling Dice
04.Wild Horses
05.Emotional Rescue
06.Doom And Gloom
07.Bitch (Fan Vote)
08.Honky Tonk Women
09.Slipping Away (with Mick Taylor)
10.Before They Make Me Run
11.Midnight Rambler (with Mick Taylor)
12.Miss You
13.Paint It, Black
14.Gimme Shelter
15.Start Me Up
16.Brown Sugar
17.Jumpin' Jack Flash
18.Sympathy For The Devil
- encore -
19.You Can't Always Get What You Want (with the Senzoku Freshman Singers)
20.(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

Second Night
01.Start Me Up
02.You Got Me Rocking
03.It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
04.Tumbling Dice
05.Angie
06.Doom And Gloom
07.Silver Train (Fan Vote - with Mick Taylor)
08.Honky Tonk Women
09.Slipping Away (with Mick Taylor)
10.Happy
11.Midnight Rambler (with Mick Taylor)
12.Miss You
13.Paint It, Black
14.Gimme Shelter
15.Jumpin’ Jack Flash
16.Sympathy For The Devil
17.Brown Sugar
- encore -
18.You Can’t Always Get What You Want (with the Senzoku Freshman Singers)
19.(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

Last Night
01.Jumpin’ Jack Flash
02.You Got Me Rocking
03.It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
04.Tumbling Dice
05.Ruby Tuesday
06.Doom And Gloom
07.Respectable (Fan Vote, with special guest HOTEI)
08.Honky Tonk Women
09.Slipping Away (with Mick Taylor)
10.Before They Make Run
11.Midnight Rambler (with Mick Taylor)
12.Miss You
13.Paint It, Black
14.Gimme Shelter
15.Start Me Up
16.Sympathy For The Devil
17.Brown Sugar
- encore -
18.You Can’t Always Get What You Want (with the Senzoku Freshman Singers)
19.(I Can’t Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)
# by modsmiley | 2014-03-13 02:07 | 音楽

ERIC CLAPTON JAPAN TOUR 2014@日本武道館

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エリック・クラプトンの来日公演に行ってきました。
2009年の単独ツアーで初めて見て、2011年のスティーヴ・ウィンウッドとのツアーに続き
今回で観るのは三回目になります。
一度見てしまうと、また会いたくなる、そんな人だと思います。

定刻を15分近く過ぎるとエリックが登場。
黒いストラトキャスター、ブラッキーを抱えると“Tell The Truth”のリフを弾き始めます。
いきなりドミノス!
ギターソロになると魂を打ち抜かんばかりの音を響かせます。
エリック、弾きまくり。今回のバンドはギターが一本だけなので、聴こえるのはエリックのギターだけです。
ツアーのポスターになった70年代の写真そのままの身体の角度。
本当にしびれました。

序盤から“Key To The Highway”や“Hoochie Coochie Man”といった
定番ブルースも飛び出します。
ネイザン・イースト、スティーブ・ガットの世界最高のリズム隊に支えられた演奏がたまりません。
思わず合いの手の歓声を上げる人が続出。
60年代の若き日からブルースを追い求め続け、彼の影響で一体どれほどの人が
ブルースの世界に触れたことでしょうか。
そんな人が今も目の前でブルースを演奏して聴かせてくれています。

コードストロークからあの有名なイントロに流れ込んだ“Wonderful Tonight”。
先ほどのブルースから一転、うっとりさせてきます。
その次は“After Midnight”。ソロ・ファーストに入ったダンスチューン。
誰もが楽しめる、ポップな側面を押し出してきます。

ライヴ中盤は椅子に座ってのアコースティックコーナーです。
いかにもブルースな小さめの青いマーティンを使っていました。
アコースティックコーナーでは定番の“Driftin’”から始まります。
最近ようやく「EC was Here」という74,75年のライヴアルバムを聴いたため、
この曲はとても楽しみでした。
“Nobody Knows You When You’re Down & Out”では会場が手拍子で一体となり、
とても温かい雰囲気になりました。力強く、優しいエリック。
そして“Layla”の「Unplugged」バージョン!
誰もが知っているアコースティックギターの渋いイントロが鳴った時に歓声が上がりました。
今日はギターが一本だから、“Layla”はどうやってやるんだろうと思っていた矢先。
まさか「Unplugged」を生で聴ける日が来るとは。
エリックの歌い回しも、女性コーラスも、あのままでした。感動。
続いて、これまたまさかの“Tears In Heaven”。
これもやらない印象があったのでびっくりでした。
ボサノヴァやレゲエな南国系のアレンジを加えた感じで、より天国的な響きがありました。
はい。この大サービスのアコースティックコーナー、「Unplugged 」デラックス・エディションの
プロモーションでしょうか?(笑)
とにかく、物凄く良かったです。

エリックが椅子から立ち上がり、再びストラトに持ち替えると
キーボードのポール・キャラックが“How Long?”を歌います。
エリックより声が出ているし、やたらと上手いのが気になります。
結局彼はこのライヴで3曲も歌いました。
僕は全く知らなかったのですが、スクィーズや様々なバンドに参加した経歴のある
シンガーソングライターだそうです。

この日一番強く歪んだギターが響き、始まったのは“Crossroads”。
エリックが最も敬愛するロバート・ジョンソンの曲。
有名なリフをクリーム時代の彼が編み出し、ロックファンにも愛される曲になりました。
魂のギター、歌でした。この曲を演奏し続けるのはエリックにとって本当に大きな意味があるのでしょう。
曲が終わると、間髪入れずに“Little Queen Of Spades”を弾き始めます。
ロバート・ジョンソンを立て続けに。
美しく、本当に完璧で、これほど力強い音色を他に聴いたことはありません。
二人のキーボードがソロを回して熱を増していき、最後にエリックが最高に熱いギターソロを弾く。
このジャズのようなソロ回しはライヴの随所で見られました。

“Cocaine”が始まると、これでラストとわかります。
ただただ圧倒されていて、とても短く感じたライヴでした。いつまでも聴いていたい。
エリックの気合い、終始弾きまくりのギター。大サービスのセットリスト。
お約束の“Cocaine!!!”をみんなで叫んで終わります。

何をやるんだろうと期待したアンコールは、ポール・キャラックの歌う
“High Time We Went”の一曲で終わりました。
エリックがギターを早々と置いてステージ中央にみんなが集まるよう呼びかけますが、
バンドメンバーが明らかに躊躇していたのが面白かったです。
バッキングに回ってギターを黙々と弾く時間も、エリックには必要なのだと思いました。
当然ながら、リズムギターもめちゃくちゃかっこよく弾く人です。

ライヴが終わったあと、ツアーパンフレットを読みましたが
なかなかさびしいことが書いてありました。同時に、どれだけ彼が音楽を愛していて
どれだけファンのことを大事に思っているかを感じました。
また日本に戻ってきて、とんかつを食べて、ライヴをしてください。
初の来日公演から40年、日本での200本目のライヴ、本当に最高でした。

01.Tell The Truth
02.Key To The Highway
03.Pretending
04.Hoochie Coochie Man
05.Honest Man (Paul Carrack / Vocals)
06.Wonderful Tonight
07.After Midnight
08.Driftin’
09.Nobody Knows You When You’re Down & Out
10.Alabama Woman
11.Layla
12.Tears In Heaven
13.How Long? (Paul Carrack / Vocals)
14.Before You Accused Me
15.Crossroads
16.Little Queen Of Spades
17.Cocaine
- encore -
18.High Time We Went (Paul Carrack / Vocals)

Eric Clapton(Gt.Vo) / Paul Carrack(Key.Vo)
Chris Stainton(Key) / Nathan East(Ba) / Steve Gadd(Dr)
Michelle John(Chor) / Shar White(Chor)
# by modsmiley | 2014-02-22 00:39 | 音楽

星野 源 ワンマンライブ "STRANGER IN BUDOKAN"

星野 源 ワンマンライブ \"STRANGER IN BUDOKAN\"_e0230671_054023.jpg

星野源さんの武道館公演に行ってきました。
2012年の年末にくも膜下出血で活動休止し、2013年7月に予定されながらも再度の活動休止により
延期された復活のライヴでした。
源さんにとって本当に久しぶりのライヴで、ファンも待ちに待った日です。
申し込んだチケット抽選は全敗、もちろん一般販売も瞬殺という事態でしたが、
運よく直前にチケットを譲ってもらい行くことができました。

定刻過ぎに暗転すると、源さんがセクシーナース二人に連れられ武道館のステージに登場します。
嬉しそうにピースをしています。
去っていくナースのスカートの中を覗こうとして、早速笑いを取る源さん。

ギターを抱えるとアルバム「STRANGER」の一曲目の“化物”が元気よく始まります。
マリンバの響きが楽しく、最高のスタートです。
何より源さんが元気に歌っている姿だけで胸がいっぱいになりました。

ペダルスティールを中心にマルチに弦楽器を操る高田漣さん、ベースの伊賀航さん、
サケロックのドラマー伊藤大地さん、グッドラックヘイワの野村卓史さんのお馴染のバンドメンバーに加え、
高野寛さんがギターで加わっています。

シングルのカップリング曲“ダンサー”で小気味よく繋ぎ、映画「聖☆おにいさん」の主題歌“ギャグ”。
正直あまり良さがわかっていなかった曲ですが、勢いとエレキギターの効きが新鮮でライヴ映えする曲でした。
かっこいい!
そして“パロディ”では「こんなメロディ」を大合唱。とてもピースフルです。

“くせのうた”
源さんのファーストソロアルバムが出る時に、細野晴臣さんのイベントで弾き語りを聴いて
凄く感動したことを覚えています。
サケロックや俳優の活動をそれほど知らなかった僕にとっては、この曲が源さんとの出会いでした。
あの時は一緒に写真も撮れるような小さな会場だったけれど、今日は武道館でフルのバンド演奏です。
源さんはES-335を抱えて、ほとんど弾かずに歌っていました。
小さな会場でも、大きな会場でも、変わらない温かさがあります。
さびしいと叫ぶには僕はあまりに下らない。

源さん、エレキギターはサンバーストと黒の二本のES-335で、アコギはJ-45辺り?を使っていて、
もっぱらGibson使いになっていました。
いつものフルアコ、出て来なかったな。(あれもGibsonですね)

途中、「一流ミュージシャンからお祝いメッセージが届いております」とのことで、
一流ミュージシャンに扮した芸人の方々のパフォーマンスがスクリーンに映される一幕もありました。
バナナマンや椿鬼奴さん、森山中の黒沢さんや友近さんなど、層々たる顔ぶれ。
貴重な映像でした(笑)

ライヴ中盤はアコースティックコーナー。
見る側も座って、や“電波塔”やナンバーガールの“透明少女”のカバーをゆったりと聴きました。
源さんの歌は、座って心を落ち着かせて聴くのがとても合っています。
時に目を閉じたり、あるいは眠気までも感じながら。
“透明少女”をやる前には、入院中に起こったナースとの触れ合いについて面白おかしく語っていました。
普通に考えたら恥ずかしいことも、入院中には当たり前のように起こるんですよね。

バンド編成に戻ってきらびやかなミラーボールが回る中、“レコードノイズ”。
入りを間違えてやり直して笑いを取っていました。大好きな曲です。
そして観客を「スタンドアッププリーズ!」と立たせ煽ってから“ワークソング”。
終盤に向け加速していきます。

“フィルム”はイントロが鳴った瞬間に歓声が上がります。
僕もライヴで聴きたいとずっと思っていた曲でした。
「笑顔のようで 色々あるな この世は」
「どんなことも 胸が裂けるほど 苦しい」
「声をあげて 飛び上がるほどに 嬉しい」
凄く共感してしまいます。そんな詞を源さんが力いっぱいに歌ってくれています。

“生まれ変わり”ではキセルの辻村豪文さん他三人の豪華なコーラス隊が加わります。
あの転調するところでコーラスが重なっていく様は今夜のハイライトでした。
“知らない”“夢の外へ”はストリングス隊にホーン隊にフル稼働で盛り上がりました。
武道館にふさわしいスケールです。
“夢の外へ”はもはや源さんの代表曲で、今この場所で演奏し歌うことのできる喜びに溢れていました。
スペースがあれば踊りたかったです。

アンコールがあることをバラしつつ、本編は“ある車掌”で静かにしっとりと終わります。
アルバム「STRANGER」、本当に良い曲が多いなぁ。
再びセクシーナースが登場し、源さんの手を引いて戻っていきました。

アンコールはナレーションから始まります。
療養中にWiiカラオケを購入し、自宅で歌いまくっていた源さん。そして運命の曲に出会ったそうです。
それを武道館のアンコールで歌いたい!と始まったのは…
“君は薔薇より美しい”
イントロに乗って白パンツ黒ジャケットにサングラスをかけてロン毛になった源さんが登場です。
もはや誰だかわかりません(笑)
そして熱唱!キレの良いダンス!
「変わったー!」の前に必ず一回転していました。
曲の途中で勢いのままメンバー紹介。大地さんと野村さんの時に「一緒にここに立てて嬉しいぜ」
と言っていたのが印象的でした。
「ニセ明です!」と叫んだ壮大なカラオケ(?)は終始笑わせっぱなしで、
「次でラストの曲なんで!」と言いながら再びナースに連れられ戻っていきました。

源さんが去るとすぐにスクリーンに映画「地獄でなぜ悪い」の映像が流れます。
僕も観ましたが、本当に面白い映画でした。
映画のタイトルが大写しになると“地獄でなぜ悪い”のホーンを強調したイントロが鳴り響きます。
そしてボーダーの緑ポロシャツにチノパン、刀を持った映画の衣装そのままの源さんが走って登場!
これ以上ない最高の展開。客電もついて、源さんもハンドマイクと刀でお祭り騒ぎです。
この曲、本当に最高です。大盛り上がりのラストでした。

二時間半、盛りだくさんの内容でした。
こんなに笑って楽しくて、温かくて感動して、
それでいて日常の延長を感じる武道館ライヴは稀ではないでしょうか。
とにかく全開、全快でした。星野源さん、完全復活!!

01. 化物
02. ダンサー
03. ギャグ
04. パロディ
05. くだらないの中に
06. 湯気
07. ステップ
08. 季節
09. くせのうた
10. スカート
11. キッチン
12. 電波塔
13. 透明少女
14. レコードノイズ
15. ワークソング
16. フィルム
17. 生まれ変わり
18. 知らない
19. 夢の外へ
20. .ある車掌
- encore -
21. 君は薔薇より美しい
22. 地獄でなぜ悪い
# by modsmiley | 2014-02-17 00:15 | 音楽