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社内失業の向こう側へ

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書こう書こうと思っていた話です。
最後に社内失業の記事を書いてから、一年以上が経過してしまいました。
その後の僕がどうなったのか、綴っておきたいと思います。

会社は、昨年5月に辞めました。
最後はデータ打ち込みの仕事もありつつも、状況の改善は見えない状態でした。
転職活動にも力を入れることができませんでした。
面接に呼ばれることがあったとしても、ビジョンが定まっていないために自信が持てず、
良い結果が出ることはありませんでした。

そうした中で、一度リセットして心身を休め今後のことを考える時間が必要だと思い、
決心して退職願いを書くに至りました。
ところが、なかなか退職は受け入れてもらえず。
会社として仕事を回すことができなかったことを詫びつつも、退職は認めないというのが社長の姿勢でした。
仕事がないのに退職を認めないというのは理解不能です。
期日までまともな話し合いはできませんでした。

それでも総務の方とは話がついていて、社長だけが折れないという状況だったので、
どうにか期日通りに退職することはできました。
社長は僕に「お前という人間を考えると働くことなどできない」と言いました。

会社を辞めた僕は休みつつ好きなことをしつつ過ごし、念願のフジロックにも行きました。
明らかに元気を取り戻していくのを感じると同時に、
自分がどれだけダメージを受けていたかを感じることにもなりました。
二年間に渡った社内失業のストレスは、溜まりに溜まっていたようです。

雇用保険の給付ですが、離職票は自己都合退職ということで通っていました。
しかし退職に至るまでの状況をハローワークの人に話したところ、
考慮して下さり会社都合退職で処理して下さいました。
もちろん会社に僕の話が事実であるかの確認の電話はしていました。
会社にいて二年も仕事が無いなんて話は初めて聞いたらしく、とても驚いていた様子でした。
こうして、早めに受給が始まることとなり、お金の面の心配は軽くなりました。

8月から本格的に就職活動を再開しました。
とは言っても、具体的にやりたいことが見つかったわけではありません。
ただ、以前より気持ちが整理されてストレスも無くなったので、自信を持って話すことができるようになりました。

転職活動が新卒時の就職活動と違うのは、
面接に呼ばれないとその企業に会うことができないという点でした。
書類が通らないことにはどうにもならないのです。

実際世の中は厳しく、業界職種未経験ではなかなか選考には進めませんでした。
今の自分には何もないため、それでも挑戦し続けるしかありません。
何かやりたいことや夢があれば、まずは資格を取ったりバイトから始めたりといったことも
できたのかもしれませんが…。

そして年が明けました。
雇用保険も給付の延長期間まで終わり、後が無くなってきました。
正直、ここまで長引くとは思っていませんでした。
そのうち決まるだろう、大丈夫、なんて考えていましたが、現実は違いました。

そんな中、2月に内定を頂きました。
業界としても興味があり、今まで受けた会社の中でも一番入りたいと思えた会社でした。
本当に嬉しく、すぐに入社を決めました。
転職活動を再開してから9社目の面接でした。
あれだけの期間で9社しか面接できなかったと思うと、やはり厳しいのです。

仕事内容は雑用ながら、予告されていた通りかなりハードでした。
考えてみれば僕はちゃんとした仕事というものをほとんどしたことが無かったので、
「仕事が忙しい」ということがどういうことなのかよくわかっていませんでした。

抱えたことのない業務量とスピード感でした。
従業員数が一桁のところだったので、様々な案件を全員が把握しながら同時に進めていくという
スタイルでした。
従業員数と業務量は明らかに合っていませんでした。
朝出社したと思ったらあっという間に21時、22時。
前の職場とはあまりに違いました。
昼休みは無く、仕事の切りの良い時に食べ、食べ終えたらすぐに業務再開。
オフィスは狭くトイレも男女兼用が一つあるだけだったので、気を抜くこともほとんどできませんでした。

人間関係にも当然逃げ場は無く、かなり怒鳴る専門職の方が一人いました。
専門職の方は雑務担当の我々を下に見ている傾向があり、12時間休み無く働いても終わらない量の雑務を
任せておいてミスが少しでもあれば怒鳴り散らすといった具合でした。

僕は早くも未来を感じなくなっていました。
狭い職場であり、二社目ということもあって実態を把握するには時間はかかりませんでした。
残業代も出ないため、まさに激務薄給。
日々の業務についていくのが精一杯、しかし雑用でした。
長く働いてもやることは変わらないことがわかってしまいました。
人間関係もきついことも相まって、僕は驚くほどの早さで心を亡くしていきました。

悩みに悩んだ末、前向きに新しい道を探すことを決心しました。
合わないところに長くとどまることで良いことは少ないと最初の会社で学んでいました。
耐えていくことに対して糧になるものが何一つ見つからなかったのが大きな理由です。

結果、入社から三週間で退職することになりました。
止められはしませんでしたが、「君はちょっと弱い。これからが心配だ。」と言われました。

本当にその通りで、自分の至らなさ、弱さ、甘さを痛感しました。
あの状況でも耐える人は耐えていくだろうし、仕事というのはそういうものなのかもしれません。
社内失業と激務とのギャップは想像以上でした。

ただ、社内失業は忙しい職場では起こらないかといえば、それは違います。
忙しくて仕事を教える暇が無い、忙しそうな先輩に声を掛けづらい、あるいは作業的な仕事しか振らない等々、
因子は常に存在しています。
仕事をしながら、こういう職場でもありえることなのだと感じました。

そして今は再び転職活動をしつつ、繋ぎのアルバイトも探しています。
少しでも働けて良かったのは、忙しいということがどういうことなのかわかったことと、
自分はどういう価値観を持って働きたいかがわかったことです。

日々張りつめた中で自分の時間が持てないような生活は、僕にはちょっと厳しいのかもしれない。
働くなら、メリハリを持って働くことができるところが良い、と。
やりがいや働く楽しさを感じることができるようになれば考えはまた違ってくるのかもしれませんが…。

よく、最初に入った職場で働くことへの価値観や自分の中の基準が決まると言いますが、
まさにその通りだと感じています。

少しずつ、働くことをわかっていけたらと思います。
社会は厳しいですが、生きていくには働くしかありません。
生きていく力を付けたいです。

社内失業というものに勝つということは、新しい職場を見つけて充実感を持って
しっかり働くことができるようになることだと感じています。
そういった意味では、僕はまだ社内失業という問題と戦っています。
by modsmiley | 2013-04-05 01:00 | 社内失業